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伊丹空港を即刻廃港せよ! [オピニオン Opinion]

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【上空から撮影した伊丹空港】
 橋下大阪府知事は就任以降関空拠点空港化を提唱した発言の中で伊丹空港の廃港を訴えています。今月24日の茨木市での講演の中でも、廃港して土地の売却益で梅田から関空までリニアモーターカーを建設すれば短時間でアクセスできると主張しています。
 昭和40年代以降騒音問題などで夜間発着差止だけでなく空港撤去都市宣言まで出される始末となりました。私はその状態の中で小学校の社会科の教科書で騒音に悩まされている非常にかわいそうな住民達といった内容のことを学ばされました。空港の差し止め請求訴訟まで呈される始末でした。橋下知事もこのことをリアルタイムに知っておられるはずです。
 その中で関西国際空港の建設が決まりました。騒音問題の抜本的解決策として多額の費用を投じてでも建設すべきというのが当時の世論でした。
 しかし、大阪国際空港騒音対策協議会(11市協)は空港撤去の方針を撤回して存続を訴えるようになりました。そして関空開港の4年前の平成2年に国と空港の「存続協定」を締結しました。関空建設に予想以上の建設費がかかって全体構想の実現まで時間がかかる事が予想された事などもあって国も存続を決めました。これが後の関西空港の経営に多大な影響を与える事になったのです。神戸市も阪神淡路大震災後神戸空港の建設を行い、市が管理する空港として開港しました。
 関空に2本目の滑走路が完成して神戸空港も運用を開始している今では、伊丹はもはや不要ですので撤去してほしいものです。
 
 伊丹市の大阪国際空港撤去都市宣言を掲載しておきます。伊丹市のHPでは共生宣言の採択以降はなぜか検索できませんでしたが、現在でも撤回されていませんので厳密には法的には有効のはずです。納税者をバカにした伊丹市のやり方は許せません。

○大阪国際空港撤去都市宣言 
昭和48年9月25日 議決
 
 わたくしたちは,長い間先人が築きあげ,つちかってきたいたみの豊かな風土と歴史的遺産を大切に敬愛し,恵まれた静かな環境を誇りとし,「人間としていきがいのあるまち いたみ」の実現にたゆまざる情熱と最善の努力を積み重ねてきた。 
 しかるに,大阪国際空港における公害をはじめとする諸問題は,今や空港の存在そのものが,公害の根元として市民生活はおろか伊丹市の存否そのものにまで重大な影響を及ぼすに至っている。 
 生命,財産の安全の確保と公害除去を切望する市民の声は,大阪国際空港の廃止を目標として公害紛争処理法にもとづく調停を起こし,その運動は日ごとに全市的規模に発展してきている。
 市においては、昭和47年10月に基本構想を策定し,市民生活の安全と快適な生活環境を確保するうえにおいて,大阪国際空港を廃止することを明記し,市議会においては,昭和48年3月に大阪国際空港の撤去を決議する等、全市一丸となって空港撤去運動を展開してきたことは衆知の事実である。 
 そして今,わたくしたちは,真に人間として憩える静かで安全な生活環境を取り戻すために,大阪国際空港の撤去にまい進していく確固たる決意をここに強くひれきし,伊丹市を大阪国際空港撒去都市とすることを宣言する。 
昭和48年10月1日 伊丹市


 参考までに「大阪国際空港と共生する都市宣言」も併記しておきます。
○大阪国際空港と共生する都市宣言
平成19年3月9日議決

 有馬山 いなの笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする 〈後拾遺和歌集 大弐三位〉

 さわやかに歌われ,江戸時代には酒づくりで栄え,多くの文人墨客が訪れた,古い歴史と文化を有する“わがまちいたみ”昭和39年6月1日,大阪国際空港に初めてジェット機が就航し,増え続ける騒音は市民の静穏な生活を脅かした。
 静かな空を取り戻すための運動は大きく広がり,昭和48年10月1日,わたしたちは「大阪国際空港撤去都市」を宣言した。
 ときには寝食を忘れた,30年をも超える人々の真摯な努力と騒音軽減への取組みが,平成2年の「存続協定」を経て,今日,ようやく空港との共存・共生への道をひらこうとしている。
 都市の個性・魅力を高め発揮する時代にあって,地域活力の向上をはかるため,わが国の基幹空港である本空港を,市街地空港の模範として,一層効果的に活用することが求められている。
 今こそ,人とまちが輝くために,引き続き安全・安心な生活環境の確保に万全を期すとともに,人・モノ・情報の交流拠点である空港を,地域の振興とまちの発展に重要な役割を果たす地域資源として最大限にいかし,夢と魅力のあるまちづくりを進めなければならない。
 ここに,伊丹市を大阪国際空港と共生する都市とすることを宣言する。
平成19年4月1日 伊丹市


 結局国が残してくれというから存続させてやったのだ、という上から目線の決議です。伊丹市等の11市協はジェット機枠の拡大や国際線の復活等の妄言を吐いています。そんなに残してほしいのなら関空の債務について、利子を含めて11市協で分担して支払うべきです。当然伊丹市は多額の公的資金を費やす事になった責任を取って払うべきです。

 関空については2期工事の速やかな実施、アクセスの改善をしていってほしいです。なにわ筋線の整備は必須ですし、海上アクセスの改善のためにもフェリーポートを中部国際空港のようにターミナル側に移設すべきです。伊丹空港の売却益で梅田からリニアで結ぶのは一理あります。
 兵庫県の井戸知事のように伊丹は存続すべきだと主張している政治家は少なくありません。先日の知事選では遺憾ながら再選されました。こんな地域エゴ丸出しの政治家には票を入れないでほしいものです。
 日航再建問題だけでなく我が国の交通行政にも多大な影響を及ぼす問題です。伊丹は即刻廃港すべきです。
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【一昨年撮影した成田空港B滑走路】
 先日2500の延伸事業が完成しました。それでも用地買収の反対運動が原因で湾曲した誘導路は現存しています。今後は羽田との共同運用も視野に入れるべきです。
 このような状況では遠距離の大型機の離着陸が可能な3500mと4000mの滑走路を有する関空はマシなのかもしれませんね。
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